地下鉄のホームで
年末の駅は人もまばら。
椅子に座って文庫を読んでいると、後からやってきた若者が二つ離れた椅子に座った。500ccパックのジュースを飲んでいる。電車がホームに入ってきたので二人は立ち上がる。若者は逡巡をみせてパックを椅子に置いて離れようとした。
いけない、若者よ。
私は若者に目を合わせ黙ってパックを指差した。彼は恥ずかしげにパックを取り上げ私と違うドアから電車に乗った。男の子は素直だ。悪いと思ったから迷いをみせたのだろう。これを機会にこんな事をやめてくれるとよいのだが。
時々こんな事があるが女性は私を含めて図太い。無視される。女性の方がプレッシャーに強い気がする。