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January 09, 2006

四方田犬彦「見ることの塩」

朝日新聞に四方田氏の談話と写真が載っていた。こんな人なのか、と見入る。
私が昨年購入した数少ない本の著者だ。

「見ることの塩」は大阪市全域図書館で2冊ほどしか所有していないのに待たずに借りて読めた。
読み始めて直ぐこれは買って読むべきと思い、本屋を探したが置いていない。ジュンク堂、紀伊国屋もペケ。置いてあったとしても探し難いのは駄目。あちこち探してやっとブックファーストで見付けた。ここをこれからの贔屓本屋に決定。

イスラエルのキブツや徴兵制などは教わったが、建国については詳しく知らない。ユダヤ教とシオニズムが相容れないなど思いもしなかった。
建国に無理があったのだ。パレスチナ人に対する処遇など読むと、私も非ユダヤ人なら暴れる。怒って当然。シャロンが嫌い。

「国」とそこに住まう人々についての四方田氏の視点が好き。
高くもないし遠くでもない。直に見たまま、感じたまま。

旧ユーゴスラビアについて私は何を知っていただろう。オリエント特急が通過する謎の国。色々な言語が飛び交う国。彼等は民族間で悲惨な戦争を行い、統合され分裂した。何故だろう。

紛争や戦いが嫌いだから、繰返さないためにはその理由が知りたい。
以前それは欲得・経済から起こる・起こされると思っていた。宗教や民族が絡むと私はいつも混乱する。
少しでも理解するためのこれを教科書にしよう。

そうそう四方田氏は映画史の教授であった、と思わせるのが旧ユーゴスラビア映画人との交流。
この本で大好きなマカヴェイエフ監督の近況が判ったのが嬉しい。近頃は作品を観ないが元気そうなので次作に期待しよう。
去年「ライフ・イズ・ミラクル」が公開されたクストリツァ監督もベオグラードで活躍する人だ。マカヴェイエフ夫人は彼を「血で汚れた金で映画を作るような・・・」と称している。注目。

「モロッコ流謫」以来、四方田氏のファン。
あの本で三島由紀夫の弟が外交官であることを知った。その存在は三島の作品に影響したのかな。

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