ベトナムの引ったくり
用心しているつもりだったが充分ではなかったと思い知る。
ベトナム2日目の夜に引ったくりに遭って気持ちがギュッと引き締まった。
ホテル前の道を横断しようとしていた時の事だ。
ホーチミンシティのバイクの数は凄い。
信号は殆ど無いし有ってもルール無視が甚だしい。
現地人にならってバイクの間をぬって横断しようとしてちょうど道の真ん中に居た時の事だ。
いきなり首を引かれてたたらを踏んだ。
数歩よろめいて何とか体勢を元に戻す事が出来た。
首に掛けていたデジカメを狙われたのだった。
幸いストラップが強くて切れずカメラは首に残った。
相棒によると二人乗りバイクの後ろの若い男だったらしい。
妙にフラフラとゆっくり近づいて来るので変だと思っていたらしい。
我々はちょうど真ん中に居て残り半分を渡るべく思案中で立ち止まっていたのだ。
現地の人は立ち止まらず同じペースで渡り切る。
バイクの方が避けて行く。
つい躊躇して止まったり下がったりする方が危険なのだ。
慣れてくれば判るが立ち止まるのはメチャ目立つ。
今思えば道の中央で立ち止まった我々は良いカモだったに違いない。
部屋に戻ってヒリヒリする首を確認。
ストラップの痕が赤い筋で残っていた。
被害はこの赤い筋だけ、とホッとした。
記憶力に難の有る私だ、メモ代わりのカメラが無ければ旅の記録は無いも同然。
翌日から急にカメラや貴重品の扱いに慎重になって相棒に笑われた。
ところが数日して別の被害を発見。
デジカメのストラップを通していた部分が浮き上がっていたのだ。
強く引かれた結果だ。
それにしてもストラップもカメラも頑丈に作られていて感心。