パイの物語
イギリスのブッカー賞を取った作品はどれも面白い。
外れが無い。
芥川賞がよく理解出来ない私だがブッカー賞は判る。
2002年のブッカー賞がこの「パイの物語」
カナダのヤン・マーテルの作品。
主人公はインド南部ポンディシェリ(旧仏領!)の動物園経営者の次男坊。
設定が秀逸。
装丁は子供向けのよう。
読み始めは繊細な男の子の心象が続くのかと思った。
いや、動物たちとと少年の話かも知れないと思い直した。
三つの宗教が語られるので子供向けの哲学本かとも思った。
ガンジー政権を嫌って移住するインド人家族の、冒険の話のようでもある。
日本も絡む。
きちんと取材して書かれている事は日本人の名前や会話に表れている。
きちんと読み進めると最後の最後に驚かされる。
あちこちに伏線があって謎解きの要素もある。
久しぶりに面白い小説だった。
堪能。