記憶
最近のことだが私の住むアパートでちょっとした事件があった。
記録しておこうとパソコンに向かったがいつだったか思い出せない。
昨日・一昨日の事ではないと思う。
一昨一昨日の事になると自信がなくなる。
とりあえず家計簿とレシートを調べて思い出そうとするがヒント無し。
毎日の食卓ブログを見ながら記憶をたどるも無理。
事件そのものは覚えている。
まずそれを書き留めておこう。
その日の午後ソファに転がってTVを見ていた。
外で男女の話し声が聞こえる。
いつまでも途絶えないのでドアを開けてみた。
どうやらこのアパート内での話し声のようだ。
穏やかな話し声なので住人のクレイマーオヤジではなさそうと一安心。
6時も半ばにチャイムが鳴って階下の住人が訪ねてきた。
その階で事件は起こっていたのだ。
そのフロアーには3室あってアトリエと空き部屋、そして問題の部屋には若い男性が住んでいる。
スポーツタイプの自転車がドア前に置いてある。
その部屋から大音量のラジオの音が漏れているのだ。
TVやラジオを最大ボリュームにしたことがない。
多分これがそのマックス音量ではないだろうか。
向かいの部屋の住人はは堪らず何度もチャイムを鳴らしドアを叩いてみたが応答がないと言う。
一応管理組合の役員なので私もドアチャイムを押してみる。
中で子犬の泣き声がする。
何があったのだろう。
全居住者の緊急連絡先を知っている管理会社は時間外のせいか連絡不能。
困り果てて近所の交番に電話をしてみた。
着膨れした警官が三人来てくれたがどうしようもない。
新聞入れの口からのぞいたり臭いを嗅いだりしてガスや煙のない事を確認。
音源は「ためしてガッテン」NHKTVと判明。
音は午前中は聞こえなかったらしい。
上の階の方や警官たちと頭を突き付けてあれこれ相談。
インフルエンザや何かの事故で住人が倒れているかもしれない。
その内に鳴かなくなった犬がリモコンを誤操作したかもしれない。
ドアを開錠したりベランダのガラスを破って中を確認することも考えたが、もし本人が外にいて帰宅してきたらどんなに驚くことだろう。
住人が若いのでその可能性は高い。
この間も大音量は続いている。
四人目の警官が登場したが状況変わらず。
アパートの玄関に警官が居るので帰宅した住人達はさぞや驚いたことだろう。
警察に現場を任せて私は部屋に戻る。
もしかして元気で帰宅するかもしれない問題の住人に宛てて手紙を書く。
至急連絡が欲しいと。
9時過ぎの遅い食事をとっていると大音量が止んだ。
住民が帰ってきたのか。
箸を置いて飛んで行くと警官と話しているトイプードルを抱いた住人が居た。
無事で良かった。
やはり子犬がリモコンを誤操作したのだった。
説教は警察にお任せ。
と、書いてきて曜日がわかった。
「ためしてガッテン」は水曜日、よって2月2日の出来事であったのだ。
ドラマで容疑者によくアリバイを訊く場面がある。
自分が容疑者になった時に時間の記憶があいまいな私はアリバイを証明する自信がない。
事件前から冤罪気分。
古い友人と話していてお互いの記憶の違いに驚くことがある。
同じ事柄の事ではない。
覚えている事柄そのものが違うのだ。
それにしても最近の自分の時間の記憶の無さには呆れる。
せいぜいブログをこまめに更新しようと思う・・・のだが。