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August 28, 2005

ライフ・イズ・ミラクル

1992年旧ユーゴスラビア、ボスニアの小さな村の鉄道が舞台。

鉄道技師とオペラ歌手の夫人、サッカー選手を目指す息子の家族は山間の駅舎で暮らしていたが戦争で生活が一変。息子は兵役に就き、トンネルの向こうは敵地に変わってしまう。

過剰なほどエネルギーに満ちた映画でちょっと疲れるが、テーマが一貫しているので判り易い。登場する楽器や歌や動物達が活き活きして嬉しい。大砲の上の鳩はちょいやり過ぎか。

観光のための鉄道の筈がいつの間にか戦争や密輸のために使われる。拳銃を市民が持ち、暗殺が横行する世界って想像が難しいし、景気付けに空に向けて撃った弾は何処に落ちるのだろうと気にする私は平和ボケか。

さて、私腹を肥やす市長の暗殺に加わった主人公は罪悪感でうなされる。至極当然。平気で居られたら怖い。
「我々のための戦争なんて無い」「民族じゃなくて人柄で付き合うのだ」の科白が良い。

灰色熊に殺されるのも人間に殺されるのも死は死だ。だが熊に反省は無い。人の場合は殺す側も何所かが死んでしまう。

捕虜になったムスリムのサバーハが被っていた防寒用毛皮帽が可愛かった。私も人工毛皮で作ってみよう。
平和ボケと言われても戦争が無いのが一番。


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August 23, 2005

ヒトラー 最期の12日間

あのヒトラーを怪物ではなく一人の人として描く。
名優ブルーノ・ガンツは年齢的にはヒトラーより10歳ほど上か。155分はかなり見応えがある。

若い秘書の眼を通した晩年のヒトラーとその周囲のメンバー。ゲッペルスがかなり不気味。破壊尽されるベルリンの凄惨。軍医やヒトラーユーゲントの立場からも大戦が語られる。

指導力を失ったナチスのトップが「自業自得」と言う言葉を市民に対して使う。
たとえ市民に選択の余地無しの独裁であっても、指導者は失敗の責任を取らない。

ユダヤ人に行われた事を戦後に知った、と語る現実の老元秘書の話が怖い。


歴史に学ぼう。


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