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June 22, 2007

フラガール

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天神橋筋6丁目、通称天六の映画館。
格安チケット屋で550円の入場券ゲット。
オールナイト興行で入れ替え制ではないので寝込む人達も居る。一夜の宿、か。
とんでもなく汚れたシートや臭う場所もあるので席を選ぶのも一仕事。

映画が始まると小屋の侘しさは消滅する。
舞台は1965年、寂れていく福島の炭鉱、懐かしいボタ山が見える。

フラのシーンが楽しい。
蒼井優の笑顔とダンスが心地良い。

夕食を済ませて最終日に滑り込んだ。
観に来て良かった。


私が子供の頃、炭鉱は身近だった。
母の郷里は筑豊で遠くにボタ山が見えていた。
小学生SATOが毎週通った映画館は二本立てで間にニュースが挟まれていた。
そのニュースではいつもいつも炭鉱の落盤事故が報じられていた。
暗い画面の暗い穴から担架で運び出される人たち、恐怖だった。
今でも怖い。

炭鉱の労働争議や閉山のニュースも暗かった。
元々白黒の画面が更に暗くなって暗い気持ちになった。
そんなに労働条件が悪いならさっさと他の仕事を選べばよいのに、と小SATOは毒づいてもいた。
長じて上野英信さんの本など読んでそんな単純な世界ではないと知るが。

石炭を見なくなって久しい。
小SATOが子供時代を送った北海道の中心燃料は石炭だった。
無煙炭と言う純度の高い羽幌炭が人気だったのを覚えている。
中学校のペチカ(壁の中に暖気を通す暖房)の暖かさが懐かしい。

石炭に依存した生活は消えた。
何かが消え何かが登場し私達の生活は日々変化する。

子供の頃は変化が不安で怖かった。
半世紀を生き抜いた今は変化にときめく。

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June 13, 2007

ボラット

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う~ん、過激。
実在するカザフスタンをこんな風に表現してよいものだろうか。

こんなに大量の差別用語を聞いたのも久しぶり。
笑いも複雑。

帰宅してカザフスタンをちゃんと知っておこうという気にはなったな。
学習促進映画か?


気になった事。
レイトショーでガラガラなのにほぼ中央の指定席には両隣に客がいる。
番号に間違いは無さそう。
映画が始まってから中央の私が席を移すことにした。

何故こんな配分にするのだ、テアトル。


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June 07, 2007

バベル

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昨日の酷い映画の口直し。

死の臭いがぷんぷんするが実際に死人は出ない。(と、思う)

幼い子供を失って心が離れてしまったアメリカ人夫婦。
息子の結婚式に出席するために預かった子供達をカリフォルニアからメキシコへ連れ出す不法就労のメキシコ人家政婦。
ジャッカルを追い払うためにライフルを入手した羊飼いのモロッコ人家族。
自殺した母への思いを引きずる東京都心に暮らす父娘。

この4家族の話が行きつ戻りつ進行。
巧い!

東京のパートがあまりにリアルなのでモロッコやメキシコもそうなのだろうと思いたくなる。
もっとも役所広司と菊池凛子の父娘が暮らすマンションの豪勢さには眼を剥いたが。

外国映画の中の陳腐な日本に失笑したことは多かったがリアルな日本の描き方に感心。
日頃観ているTVドラマの日本より余程リアル。

バベル(バビロン)とはなかなか凝ったタイトル。
ここでは言語ではなく一丁の銃が混乱を引き起こす。

私が子供の頃は少年雑誌の中で半ズボンの少年探偵が二丁拳銃を振り回していた。
この映画「バベル」と真逆なフィクションの世界。
でも近頃はフィクションの世界を現実にしてしまう事件の何と多いことか。仮想世界を仮想と思っていないのではないか。

銃で傷付いた肉体の脆さや恐怖、そこから派生する混乱。
世界が近づいた現在、銃の扱いは一国だけの問題ではない。
銃とは飽くまで殺傷のための道具だという事を知って欲しい。

そんなメッセージを映画から受け取った。


珍しく私が祈った部分がある。
帰宅した役所父が最高層の部屋で娘を探す時、彼女が居てくれるように思わず祈った。
全裸の菊池娘がベランダに居た時は心底ホッとした。
もうひとつ、警察に撃たれたモロッコの少年も病院に運ばれて助かったと思いたい。
生きていて欲しいのだよ。


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June 06, 2007

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

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なんじゃあ、こりゃあ。

初作のセンスも楽しさの欠片もない。
大勢の絞首刑から始まるこれはディズニー映画なのか?

前作2本と同じ監督とも思えない無駄に長い殺戮映画。
もっとも過去に続編で面白かった作品があっただろうか。

震える猿と蛸船長だけが救い。


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